橋下大阪府知事はどういうことを考えているのだろう?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000618-san-soci
子どもたちに米軍基地を修学旅行で見せるということ自体はありうることだろう。
しかし,それはフラットな形で行われなければならないはずだ。
ところが,この記事の流れからすれば,橋下氏は日米安保が重要であり堅持すべきであるという立場だ。
そうした立場の者が府教委(従うかどうかは別として)に対して先述のような提案をすることは教育の中立性を害するものではないか。
仮に見せるのであれば,フラットな形にするか,たぶんそれは無理なので両論から見るという機会を与える必要がある。
橋下氏といえども,よもや「一面的な見方」を身につけることを教育目標にしていることはないだろう(と思いたい)。
もう一つ気になるのは,一方で軍事力の問題は政治家が解決すべきであるとしながら,他方で大多数の決定に従って解決すべきということを述べている点である。
この二つの主張には整合性がないのではないか。
前者の主張は,軍事力の問題は「国民は差し置いて」政治家で決めるという立場が背景としてあるはずであり,後者の主張は普通の民主主義を指しているからである。
しかし,政治家は本来民主主義の枠内になければならないはずで,民主主義よりも政治家の判断に重きを置くのは橋下氏が忌み嫌っているはずの全体主義的な政策決定方法に親和的であるように思う。
また,今回問題となっている移設問題に絡めて1000万人対1億1000万人という例えを出してくるのも奇妙な点だ。
少なくとも今回の問題ではそんな圧倒的な民意は形成されていないはずである。
短い記事で真意がどこにあるのかはわからないが,とにかく「思いつき」でしゃべる政治家であることだけはわかった。